腸内フローラはとてもデリケートです。
加齢や運動不足、抗生物質などの薬物の乱用、精神的なストレス、そして人が毎日摂る食事内容などに大きく影響を受けます。
野菜や果物を食べると、腸内に善玉菌のエサとなる「オリゴ糖」や「食物繊維」が増えます。
これらを善玉菌が発酵させ、人の健康に有益な物質をつくります。
善玉菌の発酵によりつくられた物質は、腸壁を通って全身に運ばれ、健康によい影響を与えていると考えられています。また、腸内を弱酸性にして、善玉菌が棲みやすい環境を整えます。
高たんぱく・高脂質の食べ物を食べすぎると、通常は小腸で吸収される「アミノ酸」や「胆汁酸」が大腸に流れ込みます。
これらを悪玉菌が腐敗させ、人に健康に有害な物質をつくります。
有害物質の中には大腸にとどまるだけでなく、肝臓へ流れていったり、血液に交じって全身に運ばれてしまうものもあります。これが生活習慣病の要因になるという説もあります。
腸内フローラは、2000年代になって遺伝子レベルでの解析が技術的に可能になってから飛躍的に解明が進んできた、比較的新しい研究分野です。
病気と腸内環境の関係も、ようやく紐解かれてきた段階で、まだ不明な点も多く、今後の研究に期待がかかります。