腸内細菌は、生まれつきおなかの中にすんでいるわけではありません。
「変化する腸内フローラ」のページでもご説明したように、おなかの中にいる胎児の腸は無菌状態です。
産まれてくるときに通る産道や、その時の空気中に漂っている菌、そして周りの人の肌の接触などによって菌が侵入します。
下の図を見ていただくとわかるとおり、産まれてすぐの赤ちゃんの腸内は大腸菌が大勢を占めますが、
数日たつと、今度はビフィズス菌が優位に立ちます。
離乳食のころには、食べ物などと一緒にさまざまな菌が入り込み、その人固有の腸内フローラがほぼ決まるといわれています。
出典 光岡知足 「年齢と腸内細菌の移り変わり」より
腸内細菌は、人が産声を上げてから人生の幕を閉じるまで、特殊な環境である腸管で人の食べ物をエサとしてすみついています。
そして、人に有益であったり有害であったりする代謝物をつくり、日々私たちの健康に影響を与えています。
菌同士では、善玉菌でも悪玉菌でもどちらかが増えれば他方は減少し、互いに均衡して共存していますので悪玉菌だけを取り除くことはできません。
重要なことは「善玉菌を優勢にした腸内フローラバランスを保つこと」です。
人にとって腸内細菌は、上手に付き合って、共に助け合う「大切なパートナー」と言えるでしょう。